
【特別版 第1弾】10年を振り返る「自社施工」の進化
今回は、特別企画の第一弾として、「この10年、自社施工はどのように変化し成長してきたのか」をテーマにお届けします。
その過程で体験した多くの挑戦や、試行錯誤。特配営業部K部長が語ってくださった、「変化と成長のストーリー」をご覧ください。



まず、自社施工強化のきっかけについて教えてください
特販営業部には、大きく分けてガラス工事とサッシ工事の二部門があります。
ガラス工事は私の入社前から自社施工を行っていたので詳しい経緯は分かりませんが、需要の増加や利益率の向上を目的に始まったのではないかと思います。
サッシ工事は、今から11年ほど前までは、材料も工事もメーカーが受け持ち、私たちは工事全体を管理する立場でした。入社当時、数物件を管理しましたが、実際にやってみると利益率が非常に低いことを知り「これでは売上を上げることは出来ても利益が上がらない」そう感じたことが大きな転機でした。
メーカー任せではなく、自分たちが主体となって工事全体を管理し、自社で施工まで行えば、しっかり利益を生み出せるのではないかと考え、自社施工へ舵を切りました。
自社施工の割合はこの10年でどれくらい増えたのでしょうか?
数字で表すのは難しいですね。ガラス班、サッシ班、さらに他部署にエクステリア班もあるので単純比較はできませんが、ガラス工事だけで見ると約20%程度増えた感覚があります。
大きな変化は、以前は無かったサッシ班ができたことです。
人数自体は大きく変わっていませんが、自社施工全体の体制は倍近くまで成長したと思います。
外注先への依頼にはどんな課題がありましたか?
一番はスピードです。
現場から「いつ来られますか?」と聞かれても、外注業者への確認が必要ですから、返事だけで1日以上かかることも珍しくありませんでした。
その分お客様をお待たせしてしまうわけですね。
そうなんです。
当時はメーカーから施工店、次に職人さんへの連絡が必要で、とても時間がかかっていました。
自社施工出来るようになったことで、「いつ伺えます」や「〇日の午前でしたら対応できます」と即答できるようになり、お客様からもとても喜ばれています。
職人不足や高齢化が問題になっている今、自社施工体制の重要性をどのように感じておられますか?
業界全体を見ても職人不足は深刻です。
現場でも60代、70代の職人さんも珍しくありません。
そんな中、当社は比較的早い段階から採用活動を強化してきました。今では「20代の職人がこれだけいる会社は珍しい」と同業他社から言われることも多くなりました。
ですが、ただ採用するだけでは意味がありません。これからは若い職人が「この会社なら定年まで働ける」そう思ってもらえる環境をつくることが、今の私の課題ですね。
現在弊社がお引き受けできることを聞かせてください
ガラス工事やサッシ工事はもちろん、図面打合せ・発注業務・納期管理・施工・メンテナンスまで一貫して対応できます。
基本的には、お客様との打合せから施工後のフォローまで完結できる体制になっています。
社長 いかがですか?
私が入社した頃も、新築現場への配送・搬入業務、エクステリア工事もほとんど外注でした。
しかし現在は社内で対応できる範囲がかなり広がっています。
職人不足が想像以上のスピードで進んでおり、頼みたくても頼める業者がいない。そんな時代だからこそ、若い人材を採用し、自社施工を増やしてきました。
今後は窓まわりのシーリング工事など、周辺業務の内製化も進んでいくと思います。
では、自社施工を進める中で、難しいことは何ですか?
技術面というより、人づくりですね。外注先の職人さんは、現場を終わらせれば仕事が完了します。
でも社内の職人は“社員”ですから、現場対応の他に報告書の作成・情報共有・社内業務・後輩育成といった仕事があります。
それを当たり前のことと思ってもらうことが一番難しい部分だと思います。職人としての強い責任感とプライド、それに山十の社員として会社全体を見渡す視点がプラスされれば最強です。
その両立がいかに必要かを伝え続けることが大事だと感じています。
自社施工によって会社として最も変わったことはどんなことでしょうか?
「選ばれる会社になったこと」だと思います。
お客様から、「山十さんなら電話一本で済む」と言っていただく機会が増えました。
同時に、「これは山十の仕事だ」と社員全員が感じられるようになったことも大きいですね。
自分たちで打合せを行い、自分たちの手で施工し、最後まで責任を持つ。それにより仕事に誇りが
持てるんです。
最近は、チーム一丸となって仕事に取り組めていることを強く感じるようになりました。
新たな取り組みとして社内でMさんが担当されているCAD業務について教えてください。
これまでマンションなどのビルサッシ図面をメーカーや外部業者に依頼していましたが、作図業務の一部を社内で手がけるようになりました。競争が激しくなる中で他社との差別化を図るには、自分たちで図面を描けるようになる必要があると考えたからです。
現在はMさんを中心に、作図業務の内製化を進め、1物件あたり100~120枚ほどの図面を作成していますが、将来的には改修工事やリフォーム提案にも活かしていきたいと考えています。
また、当社には実際に施工を行う職人社員がいるため、図面が完成した段階で現場目線のチェックができるのが大きな強みです。
長年現場を経験してきた社員が図面を確認し、「本当にこの図面で施工できるか」「問題なく取り付けられるか」などを直接意見してくれます。
サッシを取り付ける職人の生の声を図面に反映できるので、精度の高い図面を作ることができます。作図と施工の距離が近いからこそ、ミスの防止や品質向上につながっていると思いますし、これは当社ならではの強みだと思います。
今後、自社施工をどのように発展させていきたいですか?
利益率向上だけではありません。
私は「定年まで働ける環境づくり」が重要だと思っています。
60歳を過ぎ、重いガラスを運ぶのが難しくなってもシーリング工事なら続けられるかもしれない。
現場経験を活かし、年齢に応じた役割を持てる環境をつくりたいんです。
工事の仕事が好きなのに、年齢やケガを理由に活躍の場がなくなる。
そんな会社にはしたくありません。
社長に伺います。
人手不足が深刻化する中、自社施工体制だからこそお客様に提供できる価値は何だと思われますか?
今の建築業界は職人の減少スピードが非常に速い。
だからこそ私は若手採用を重視してきました。そして次のテーマは「成長」です。
職人が自分や部下の成長を楽しむことができる仕組みをつくることが重要であり、
山十が採用×成長で業界の成功事例となりたい。
そして建築業界には魅力があることを、もっと多くの人に伝えていきたい、そう考えています。
今回のインタビューを通し、自社施工の強化は、単に「内製化」や「利益率向上」のためだけではなく、お客様への価値向上、社員の成長、そして将来にわたり長く働き続けられる環境づくりにつながっていると感じました。
10年前に比べ、自社施工の範囲は大きく広がり、対応力や技術力、そしてチームとしての一体感も着実に高まっています。その背景には、現場で奮闘する社員一人ひとりの挑戦と努力がありました。
職人不足という業界共通の課題が深刻化する中、山十は若い世代の育成や新たな技術・業務の内製化を通じて、未来に向けた一歩を着実に積み重ねています。
これから先の10年も、変化を恐れず挑戦を続けながら、「山十だからできる仕事」をさらに増やしていくことでしょう。
K部長、社長、貴重なお話をありがとうございました。
ご覧いただいた皆様、次回の特別企画もぜひお楽しみに!

